私の愛するものが完全に街から姿を消しました。
猛暑が終わりを告げることにホッとしながらも
あれをもっと食べておきたかった・・・・と。
私がそこまで執着しているもの、それは大玉のスイカなんですねぇ。
実家の新潟では、真っ黒に日に焼けた頑健そうな農家のおばあちゃんが、山ほどスイカを積んだリヤカーを引いて近所まで売りにきたものです。ひとつ数百円という安さだったこともあり、3人家族なのに大玉を2個とか3個とか普通に買っていました。
深緑に黒の縞が稲妻のように冴えるスイカが、台所にごろごろ転がってるのが真夏の日常風景。
たしか、生まれて初めて包丁で切ったのもスイカでした。幼い私は「桃太郎じゃなくてスイカ太郎が出てくる〜」と大はしゃぎだったとか。まったく記憶にありませんけど。
包丁を入れた瞬間「スパッ!」と小気味よく真っぷたつ、したたる鮮やかな赤、みごとな熟れ具合を確認すると「当たりだ!」と鼻高々な気分。逆に熟れ過ぎて、シャキシャキしているはずの果肉がドロンとしていると、「そこまで?」と言われるほどがっかりします。
この夏、心塞がれることがあり数日無口になっていたときのことです。夫が「いいスイカがあった。山形の尾花沢スイカ」と大玉スイカを買ってきてくれました。「早く切って冷蔵庫に入れて」と急かします。
いま冷蔵庫いっぱいなのに、と思いつつスイカに包丁を入れると、夫のお見立ては当たり。
パリリッという音とともに包丁の刃より先に裂け目が走り、パッと散るみずみずしい赤い香り。
思わず口元がほころぶ。
その様子を対面キッチンの向こうで見ていた夫は「スイカを切るとき、いつも嬉しそうにニタニタするよね」と。
一瞬ムッとしたけれど、どうやら夫は私の機嫌が快復するように無い知恵を絞ったらしいです。
男性会員さんの自己PR文には「なんでも話し合える関係でいたい」と書かれていることが、とても多いんです。
なんでも話し合えるふたりになるには、少し時間が必要かもしれません。
まずは「いまどんな気持ちでいるんだろう」と、心を向けることからですよね。
滔々と流れて行く大河のような日常のなかで、ともすると大切なひとの気持ちを見失いがち。
だから・・・・。
いまどんな気持ち?
何にあなたは喜ぶの?
どんなときに悲しむの?
いまどんな気持ち?
私の手が必要ですか?
私の声が必要ですか?
あなたの心を見失わないように
いまどんな気持ちか知りたいです。
お読みいただいてありがとうございます。
いつもあなたのミカタ。
祝福が降りそそぎますように。
WAKAKO